2009年8月19日
日本の地域食材の伝承に取り組んできたNPO法人「良い食材を伝える会」が、農林水産省・にっぽん食育推進事業の「大人の食育学習会」を開催した。
これにより「地域食材と江戸の食文化」を取り上げ、夕刊で二百名の募集を行ったが、インターネット時代、六百名を超える応募があり、現代人の江戸への郷愁は、食文化の分野でも根強いものをうかがわせた。
食文化史研究家の永山久夫氏の基調講演に続いて、「エコタウン、江戸の食と農」のパネルディスカッションは、主催者で元NHK解説委員の中村靖彦氏が進行を務めた。
パネリストは私の他に、江戸料理「なべ家」の福田浩氏が、レシピに頼る現代を「うどんの茹でよう、食いて申し候、調味は好み次第」と食べながら学ぶ江戸料理の基本を紹介。
医学博士で管理栄養士の本多京子氏は、江戸では、白米を食べて副食が少なく「脚気」が増えたことを紹介、食事バランスガイドを例に、地域食材によるバランスの取れた食生活を提唱した。
東京農大前学長の進士五十八氏は、江戸は田園都市だったとしたあと、環境を考えると自然循環型で季節を大切にした江戸東京野菜は重要だと。
この企画、栄養士や、食生活改善推進委員、企業の食育担当者などのほか、個々の参加者に新しい視点で「食事バランスガイド」の浸透を期待している。