今話題の江戸東京野菜

わき水で35センチにもなる「水前寺もやし」の収穫をする生徒たち

新聞記事

2009年11月18日

(8) 絶滅恐れて栽培着手

熊本農業高校の取り組み

 第60回日本学校農業クラブ全国大会が十月七〜八日、茨城県水戸市で開催された。

 今年特に注目したのがプロジェクト発表で九州ブロック代表の熊本農業高校の「未来につなげ伝統野菜」だ。熊本赤ナス、水前寺菜など十五品目が指定されている「ひご野菜」は、江戸時代から作り続けられてきた熊本の伝統野菜だが、ごたぶんにもれず栽培農家の減少と高齢化などから、絶滅してしまうのではとの危機感から取り組んだとのことで、生徒たちの純粋な思いが伝わってくる。

 伝統農法の継承と種苗保存の取り組みとしては、水前寺もやしの栽培農家が一軒になってしまったことから生徒たちが立ち上がった。また、自分たちが「ひご野菜」の情報発信拠点になろうと、「産学官連携ひご野菜会議」も結成した。同校では、お正月用に栽培したひご野菜のセット販売や、学校給食の食材にも提供、三千人の小中学生が雑煮にして食べたことから子供たちがひご野菜に興味を持つようになったとか、今後は「ひご野菜食農塾」を開催していくという。

 同校の発表は大臣賞にまでは届かなかったが、命を育み、命を繋いで行く地味で息の長い取り組みだ。熊本県の状況は、一部の府県を除き全国の伝統野菜が置かれた状況とまったく同じだが、全国に先駆けた熊農高諸君の取り組みは学ぶことが多く、更なる活動の継続にはエールを送りたい。

(財)東京都農林水産振興財団 大竹道茂