今話題の江戸東京野菜

「都産都消」の食材を試食する丸の内シェフズクラブの服部幸應会長

新聞記事

2010年8月18日

(15) 著名シェフが熱視線

東京には何でもある

 江戸東京野菜の取り組みも、最近では、地産地消費や、フードマイレージの考えがすっかり定着し、伝統野菜の江戸東京野菜から地場野菜の東京の食材すべてに話題が広がって、光があたってきている。

 昨年、フレンチの巨匠三國清三シェフから、東京の食材について相談を受けたとき、初めは、伝統野菜から入ったが、東京は大産地ではないが、少量多品目生産の農業形態で、東の江戸川辺りでは海抜0に近い産地から、西には海抜1500メートルの地点でもワサビが栽培されている。さらに洋上1000キロの小笠原では、冬でも無加温で野菜が生産されている。まさに日本農業の縮図と言っていい、と話したら、そこまで言うなら、肉はあるかと聞かれた。牛肉はあきる野市の秋川牛、豚はTOKYO Xが美味しいし、鶏では、東京シャモに、東京ウコッケイというブランド肉がある。酪農も盛んで東京牛乳が販売されている。また、米も八王子高月の特別栽培の清流米や、合鴨農法の米もある。調味料だって島の天然塩、椿油だってある。東京には昔から何でもあるのだ。

 おかげで、ミクニマルノウチの一周年記念メニューは、一か月にわたって「東京の食材大集合」となった。

 丸の内に店を出す著名なシェフ達28人衆からも東京の生産者にラブコールが届いている。

(公財)東京都農林水産振興財団 大竹道茂