今話題の江戸東京野菜

大切に育てたナスを使って調理実習・寺島小にて

新聞記事

2010年5月19日

(12) 栄養士ら高まる関心

子どもたちに地場産提供

 当財団では、2008年にJA東京中央と品川カブ、昨年はJAバンク東京信連と寺島ナスの栽培を、かつての産地にある学校で栽培復活を実施してきたが、各学校とも食育・食農の立場から、子供達が栽培した野菜を給食で食べたようだ。

 食育に携わる関係で小中学校の栄養士さんとお話をする機会は多い。栄養士の皆さんの中にも江戸東京野菜に興味を持っている方々が増えた。

 特に多い質問は、勤め先の学校の周辺に農業があるのか、どこに行ったら農家の人を紹介いただけるのか、などから始まって、この辺で栽培されていた伝統野菜は・・・、タネは手に入るのかなど、結構、栽培に興味を持ってくれている。

 周辺に農地がある学校ならともかく、品川区、江東区、荒川区といった農地のないところの栄養士さんたちも、プランター栽培でもいいから伝統野菜を栽培したいという。

 野菜の指定産地制度が軌道に乗った二十年も前の話だが、地元の野菜を子供達に食べてもらおうと給食担当の先生との打合せの段階で、「指定の規格に揃えて」とか天候に関係なく「納品日厳守」、など、「使ってやる」という学校側の意識が話をこじらせて、「無理だ」という農家が多かったが、時代は大きく変わって、新鮮な地場産の野菜を子供達に食べさせたいという思いは、地元の農家と同じレベルになっている。

(公財)東京都農林水産振興財団 大竹道茂